【体験談】フランス10年ビザ ①申請

ごきげんよう☺

今日は、フランスのレジデント・カード(Carte de résident)、通称「10年ビザ」を申請してきたので、そのお話をしたいと思います。

海外に住みたい!と思ったとき、一番やっかいな問題の一つが、ビザの取得ですよね。

フランスに住む多くの日本人は、フランス人と結婚して家族ビザで滞在しています。

そんな王道のルートが叶わなかった方へ、私の経験と記事が少しでも役に立てば嬉しいです。

フランスで現地採用にて会社員として働く場合、就労ビザを取得しますが、就労ビザから10年ビザに切り替えた方法を記録します。

1. 私がこれまでに取ったフランス滞在許可証

10年ビザは、フランスに来てすぐ取れるものではありません。私の経緯をお話しておきますね。

まずは2011年にワーホリで1年滞在し、いったん帰国。ワーホリ中に就職した会社に、労働許可証の申請をしてもらいました。

無事に労働許可がおりて、2012年11月にフランスに戻り、2013年3月に就労ビザを受け取り、それを毎年更新していました。正確には、Salarié(サラリエ=会社員)のメンション付き滞在許可証です。

2017年4度目の更新のとき、CARTE DE SEJOUR PLURIANNUELLE SALARIE SALARIEという、4年有効のSalarié滞在許可証をもらいました。これが2021年2月15日に有効期限をむかえるため、更新が必要になったわけです。

当時は1年更新のものしかありませんでしたが、今は、4年待たずに複数年有効の滞在許可証をもらえるようですね。うらやましい!

2. フランス滞在許可証の更新

滞在許可証の更新は、お住いの県庁(Préfecture)のHPでオンライン予約を取るところから始まります。パリ在住者の場合、警視庁のHPからできます。

予約は早めに取っておきましょう。昔は、予約を取るだけで半年以上かかったり、現行ビザの期限内には予約が取れなかったりしましたが、今は改善されているみたい。私はぐずぐずしていて、2020年11月15日にHPにアクセスしたのですが、2021年2月11日の予約が取れました。

何とも意外なことに、パリ警視庁での滞在許可証の更新手続きは、とーってもスムーズです。これまで一度も嫌な思いをしたことはありません。

毎年15時以降の枠を予約するようにしています。みな残業したくないので、夕方は作業が早いのですよね。30分以上待ったことがありません。遅い時間の予約をおすすめいたします。

ちなみに、そんな裏技に気を取られていたら。予約を取ったあとに、更新のための予約ではなく、10年ビザの申請をするための予約を取るべきだったと気が付きました。更新だと、今と同じ4年の滞在許可証しかもらえません。3430(パリ警視庁の電話番号)に問い合わせたのですが、「更新のために取った予約日に来て、10年ビザを申請してみてください」と言われてしまいました。予約枠は、柔軟というか【適当】なのですね。

3. フランス10年ビザの条件

予約当日。番号札を取り、20分ほど待って、自分の番がまわってきました。担当官に、これまでの滞在履歴と10年ビザがほしい旨を伝えたところ、私の過去4年分の確定申告書だけを見て、「条件を満たしているので10年ビザおりますよ」とのお言葉。

うーれーしーいー!!

その担当官は、「10年ビザは、直近4年にSMIC(法定最低賃金)以上の納税をしていることが条件」と言っていました。1つだけ注意してくださいませ。これ、実際は「直近5年の収入がSMIC以上」を意味します。

というのは、2019年より前は、源泉徴収でなく、前年度の所得を確定申告し、翌年に納税していました。つまり、4年前の納税額は、5年前の年間所得から計算されています。4年SMIC以上の納税をしていたことは、5年SMIC以上の収入があったことを意味します。ですので、源泉徴収になった2019年より後は、5年分の確定申告書が必要になると思いますので、ご確認くださいませ。

滞在期間が5年をすぎた時点で、10年ビザを申請できます。私の場合、現行の4年ビザの期限を待たずに、2018年に申請できたことになります。ま、永住する場合、10年後の更新が延びるので同じことなのですが。

以上は就労ビザで滞在していた人の場合です。これまでの身分によって条件は異なるでしょう。フランス人と結婚している、フランス国籍の子供がいる、個人事業主である、経営者である、特殊技能者である、などなど。

私が実際に提出した書類については、次に詳しく説明しますね。

4. フランス10年ビザの必要書類

内務省のHPに載っている必要書類のリスト、次に実際に私が提出をしたもの・しなかったものを挙げます。

4-1 公式の必要書類リスト

内務省のHPによると↓のとおり。

Liste des pièces à fournir

justificatifs d’état civil et de nationalité :
-passeport (photocopie des pages relatives à l’état civil, aux dates de validité, aux cachets d’entrée et aux visas) ;

Justificatif de domicile datant de moins de 6 mois :
-facture d’électricité (ou gaz, eau, téléphone fixe, accès à internet) ; ou bail de location de moins de 3 mois ou quittance de loyer (si locataire) ; ou taxe d’habitation ;
-si hébergement à l’hôtel : attestation de l’hôtelier et facture du dernier mois ;
-en cas d’hébergement chez un particulier : attestation de l’hébergeant datée et signée, copie de sa carte d’identité ou de sa carte de séjour, et acte de propriété (ou relevé de taxe d’habitation ou copie du bail de location de l’hébergeant ou facture d’électricité, gaz, eau, téléphone fixe ou accès à internet de l’hébergeant).

3 photographies d’identité récentes (format 35 mm x 45 mm – norme ISO/IEC 19794 – 5 : 2005), de face tête nue et parfaitement ressemblantes (pas de copie).

Si vous êtes marié(e) et ressortissant(e) d’un État dont la loi autorise la polygamie, une déclaration sur l’honneur selon laquelle vous ne vivez pas en France en état de polygamie.

Justificatif d’acquittement de la taxe sur le titre de séjour et du droit de timbre à remettre au moment de la remise du titre. Vous pouvez acheter votre timbre en ligne en cliquant sur le lien ci-dessous.

Justificatifs de l’intégration républicaine :
-une déclaration sur l’honneur de respect des principes régissant la République française (remis en préfecture) ;
-lorsqu’il existe, le contrat d’intégration républicaine d’accueil (ou le contrat d’accueil et d’intégration) ainsi que le certificat d’assiduité remis par l’OFII ;
-diplôme ou certification (liste définie par arrêté INT1805032A du 21 février 2018) permettant d’attester de la maîtrise du français à un niveau au moins égal au niveau A2 du cadre européen commun de référence pour les langes, sauf si le demandeur est âgé de plus de 65 ans.

Justificatifs de séjour ininterrompu en France de 5 ans (certificat de scolarité, avis d’imposition, etc.).

Justificatifs de ressources propres individuelles ou des époux (à l’exclusion des prestations sociales ou allocations), suffisantes (au moins égales au niveau du SMIC), stables et régulières (sur les 5 dernières années) : bulletins de paie ou avis d’imposition ou attestation de versement de pension ou contrat de travail ou attestation bancaire, revenus fonciers, etc… (sont exemptés de cette condition de ressources les bénéficiaires de l’allocation aux adultes handicapés ou de l’allocation supplémentaire d’invalidité)

Autres justificatifs de l’intention de s’établir durablement (facultatif) : liens familiaux ou titre de propriété d’un logement ou certificats de scolarité en France des enfants, etc…

Justificatif d’assurance-maladie : carte d’assurance-maladie ou attestation d’assurance-maladie

4-2 実際に提出したもの・しなかったもの

フランスあるあるで、担当官によって異なると思いますので、参考までに。

◆ 提出した書類

パスポート
住居証明書
証明写真(3枚と書かれていますが、2枚しか求められませんでした)
フランスの大学卒業証明書(DEFL A2以上の証明書でOK)
確定申告(5年分と書かれていますが、4年分しか求められませんでした*)
Sécurité Sociale(社会保険)の加入証明書(Ameliのサイトにログインしてattestation de droitsをクリックするだけで作成されます)

* 2019年より前は、源泉徴収でなく、前年度の所得を確定申告し、翌年に納税していました。過去4年間続けて所得税を納めたということは、5年間続けて働いていたことを意味します。ですので、今後は5年分の確定申告書が必要になるでしょう。

◆ HPには載っていないけれど、提出が必要だったもの

受付でもらう書類(職業とか両親の名前とか、その場で簡単に書けるもの)
現行の滞在許可証の両面コピー
直近3か月分の給与明細

◆ HPには載っていたけれど、提出が不要だったもの

Justificatif d’acquittement de la taxe sur le titre de séjour et du droit de timbre à remettre au moment de la remise du titre. Vous pouvez acheter votre timbre en ligne en cliquant sur le lien ci-dessous.

◆ 持っていたから出したけど、きっと不要なもの

サンドゥニ県の移民局HPに次の2つの書式があり、記入済みだったので提出しました。なくても平気だったはず。実は、サンドゥニ県の移民局と気付かず、全国共通のものと勘違いしていました。

10年ビザ申請書
一夫一妻制の誓約書

5. レセピセの発行

10本の指の指紋を取り、レセピセ(récépissé 仮の許可書)を受け取りました。6ヶ月有効のものです。昔はもっと短くて、3ヶ月でした。手続きの簡略化が進んでいるのか、もしくはコロナの影響で期間を長く設けているのかもしれませんね。

本物の10年ビザのカードは、1.5-2ヶ月後にできあがるそうです。SMSで通知が届いたら、交付のための予約を取り、引き取りに来てください、とのこと。

SMSでの連絡がスムーズに行われるのか、とか。予約はすぐに取れるのか、とか。その頃ロックダウンで事務所が閉まっていたら、とか。心配は尽きませんが、また後日ご報告しますね。

6. おまけ情報

こういう手続きって煩雑で、苦手な方も多いですよね。入念に準備される方から、つい当日「あれ忘れた!」「これ忘れた!」って慌てる方までいらっしゃると思います。

パリ警視庁で、私たちアジア人がビザの手続きでお世話になる4番の建物には、Photomaton(スピード写真ボックス)、コピー機、両替機があります。万が一のときに利用できるのは安心ですね。

証明写真は町中のPhotomatonで撮る方が多いと思いますが、HPに郵便番号を入力すると、最寄りの設置場所を検索できます。

お値段は6ユーロ。現金で6ユーロ準備するのってけっこう面倒でしたが、今はCBでタッチ決済もできて、本当に便利です。

しかし画質は悪くて、できあがった写真を見て、老けたなーと大ショックでした。10年も身分証明書としてお付き合いすると思うと、10年で嬉しいような悲しいような…

7. 最後に

フランスに限らず、どこの国でも同じだと思いますが、ビザは初回申請の審査がとても厳しく、その後の更新は滞在期間が長くなればなるほど簡易になりますね。

この記事が、少しでもみなさまの滞在許可証の取得に役立てば、うれしいです。

ごきげんよう☺

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